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湊町の蕎麦屋のオヤジは獣医さん(その2)


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黒ずんだ町の白いシンボル
福井駅裏の寂しいホームを発車した一両だけの旧式電車は、広い水田の中をゴトゴトと走って、終点の無人駅、三国港に着いた。
赤く錆びついた港の施設。岸壁には数隻のイカ釣り船が錨を下ろすだけだった。
黒ずんだ町並みを見下ろす丘の上に、白亜の洋風建築がくつきりとそびえ、坂道に「みくに龍翔館」の矢印が出ていた。
明治十二年にオランダの技師が設計した龍翔小学校は、五層八角の斬新奇抜な木造建築だった。
それが昭和五十八年に再建され、三国湊の繁栄を語り継ぐ資料館となっている。
豊富な資料をそろえた北前船コーナーとともに、三国に生まれた文豪・高見順と、ここに住んだ漂泊の詩人・三好達治の遺品を展示する文学コーナーを感銘深く見学した。
最上階の望楼に上がると、右手には越前海岸の奇勝・東尋坊がひらけ、左には九頭竜川の向こうに、福井県が二十年がかりで建設中の港湾コンビナート「福井テクノポート」の工場群が、盛大に煙を吹き上げていた。
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日本麺類業団体連合会発行
めん 1992年11月号
作:富永政美様
より抜粋 |
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